はじめに

2024年4月1日から施行された建築基準法の改正により、耐火建築物に関する規制が緩和されました。この改正により、木造の工場や倉庫の建設が容易になったことで注目が集まっています。本記事では、規制緩和の内容と得られる恩恵について詳しく解説します。

1．規制緩和の内容

これまでの建築基準法では、耐火建築物の主要構造部はすべて耐火構造である必要がありましたが、最新の改正法により、特定の条件を満たす場合には一部を耐火構造でない構造とすることが可能になりました。（図1）
「建物の一部が損傷しても、全体の耐火性能が維持されていれば問題ない」ということになります。
例えば、下記写真のように鉄骨の工場・倉庫の一部を木造化する”混構造の工場・倉庫”を建築することができるようになります。
この規制緩和により、木造の工場・倉庫の建設がより柔軟になり、建設業界に大きな影響をもたらしています。

（図1）国土交通省 住宅局 「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律（令和４年法律第６９号）について」（P. 44）

2．規制緩和によって得られる3つの恩恵

2-1 コスト削減

近年、建築資材の価格高騰が著しく、悩まれている建設会社も多いのではないでしょうか。（図2）
木材は一般的に鉄やコンクリートに比べて安価であるため、規制緩和により建設コストの削減が期待できます。

（図2）一般財団法人 建設物価調査会「建設資材物価指数」

2-2 施工期間の短縮

木造建築は施工が速く、工期を短縮できます。これは、材料の加工が簡単であり、現場での組み立てが迅速に行えるためです。

2-3 デザインの柔軟性

耐火構造でない構造を一部採用することで、設計の柔軟性が増し、建築物の用途やデザインにより適した構造を採用できるようになります。これにより、顧客の要望に応じたカスタマイズが可能になります。

3．ひかりシステム倉庫の木造大型倉庫

大規模な倉庫や工場に木造が選ばれる理由は、「軽くて強い」「経済性」「環境」の3つです。

【軽量で強度のある構造】
ひかりシステム倉庫が採用している木質トラスは、高い耐久性と強度を持ち、大規模な倉庫・工場の建設に最適です。

【経済的な利点】
木材は鉄骨やRC構造に比べて断熱性が高く、冷暖房の稼働時間や設定温度を低く抑えることができます。この特性により、エネルギー消費を削減し、環境への負荷を軽減することができます。断熱性能の高さは、作業環境や保管物の品質にも良い影響を与えます。

【環境への貢献】
木材を使用することで、建築時のCO2排出量を削減し、地球温暖化防止に寄与します。2010年10月に施行された『公共建築物木材利用促進法』では、中低層の公共建築物は原則として木造とすることが規定されており、これにより公共建築物での木材利用が推進されています。

4．まとめ

今回の耐火構造の規制緩和により、木造の工場や倉庫の建設が一段と容易になりました。これにより、建設コストの削減、施工期間の短縮、環境への配慮、さらには市場価値の向上など、多くのメリットが享受できます。建設会社にとっては、新たな市場機会の拡大と競争力の向上が期待されます。

倉庫建築・工場建設専門店のひかりシステム倉庫は、お客様の要望に合わせたご提案をさせていただいております。補助金を使った倉庫建築・工場建設のサポートも行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください！